グラフィックデザイナーとして、フリーランスと会社勤めのどちらがいいか?

経験・キャリア形成・金銭面・柔軟性・安定性・特典・家庭生活といった様々な面での特徴を考慮して、フリーランスと会社勤め、この2つのタイプを評価してみましょう。この2つのデザイナーの仕事をより理解するために、ここでは各基準におけるメリットとデメリットを評価してみます。これらの基準を自分にとって大事な順に並べ、それぞれの働き方で得られるものを比較してみてくださいね。

経験

「経験」という言葉は、フリーランスもしくはフルタイムのデザイナーとして様々なプロジェクトに取り組む際に得られる技術力やマネージメント力、チームで働くスキルを指します。どちらの場合でも似たようなプロジェクトに取り組むため、個々のプロジェクトに紐付いた同じようなデザイン経験が得られるでしょう。結果として、どちらの契約形態においても、得られるデザイン経験はほとんど同じになります。

マネージメントやチームワークに関しては、その様相はまったく違います。フリーランスの場合は、Eメールやオンラインミーティングを介しての遠隔コミュニケーションに頼ることになるため、しっかりとしたインターネット接続環境が必須となります。

この場合、キャリアアップに役立つマネージメントやチームで働く能力の向上にはつながりません。フルタイムのデザイン職では、上司と共に働き、同僚と一緒にアイデアを発展させるので、時が経つにつれてこういった能力が高まります。

キャリアの選択

デザイナー・主任デザイナー・リードデザイナー・デザイン監督といった複数のデザイン職を経験することはキャリア形成といえます。フルタイム雇用で会社に勤めることで、デザイナーとしてのキャリアを形成し、各役職に割りあてられた多くの責務を通じて専門知識を得ることができます。

キャリア形成は専門知識と、会社が与える収入と責任レベルに左右されます。

これに対してフリーランスの仕事では、自分の会社がチームを率いて仕事ができる程度まで成長しない限りは、明確なキャリア形成ができません。特定の仕事を外注することはフリーランス事業の基本です。そのため、デザイナーはいつもキャリアを発展させるためにやらなくてはならないタスクに縛られることになりますね。

金銭面

月給制でも利益分配制でも、受け取る支払いは金銭的基準となります。自分自身の能力評価に即した報酬を得られるため、フリーランス事業では安定した顧客を得られれば大きな成功をおさめられます。支払いは時に時給制であったりプロジェクトの経費に左右されたりします。月に20時間働けば、フルタイムでひと月働くより多くの収入を得られるかもしれません。これは当然、任される仕事や賃金率によって変動します。

フルタイムのデザインの仕事には、月収や年収が提示されますが、パートタイムの場合は月額もしくは年額で報酬が支払われます。働いても働かなくても毎月160時間分が支払われます。フルタイムのデザイン職は通常、フリーランスのデザイナーより1時間当たりの報酬が低くなります。ですので、理想的な雇用条件であれば、フリーランサーはフルタイムのデザイナーより少ない時間で多く稼ぐことができるでしょう。